ヘップバーン
  
オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)といえば、「ローマの休日」や「マイ・フェア・レディ」をはじめ数多くの映画に出演し、「繊細、無垢な印象を与える演技」(ニューヨークタイムズ)で、今も映画ファンの心に深く刻まれている人物です。
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 その後、映画で顔を見かけることがなくなり、再び彼女の動向が注目され出したのは、ユニセフ(国際連合児童基金)の親善大使としての活動でした。アフリカ、南米、アジアの恵まれない子どもたちへの援助活動に献身し、アメリカ合衆国の文民に対する最高勲章である「大統領自由勲章」を亡くなるひと月前に受賞しています。
 
 しかし、オードリー・ヘプバーンがユニセフの働きを始めたのは、1954年からです。そのきっかけとなったのは彼女の少女時代の衝撃的な経験でした。ドイツ占領下のオランダで、ナチスに捕らえられたユダヤ人たちが貨車に詰め込まれて輸送されて行くのを何度も目にするのです。

 特に両親とともにプラットホームに立ち、ダブダブのコートを身につけた、透き通るような金髪と青白い顔色をした少年がユダヤ人を輸送する列車の中に呑み込まれていく様子は、彼女の心から生涯消えることがありませんでした。
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 大戦中にヘプバーン自身も、栄養失調で苦しみ、呼吸障害と重度の貧血、浮腫に苦しみます。このような少女時代の経験があって、困難の中に生きている子どもたちのために献身し、ユニセフ親善大使としての活動を行うようになるのです。
 
 彼女の出演する映画スクリーンの中での女優としての魅力と美しさは格別ですが、若い頃とは比べ物にならないほど皺が多くなり、少し憂いにみちた表情で少年に寄り添い、訴えるような眼差しのオードリー・ヘプバーンの美しさは、人間としての美しさそのものです


 「今日の聖書」ヨハネの手紙 第一 4章7〜10節

 愛する者たち。私たちは互いに愛し合いましょう。愛は神から出ているのです。

 愛がある者はみな神から生まれ、神を知っています。

 愛のない者は神を知りません。神は愛だからです。


 神はそのひとり子を世に遣わし、
その方によって私たちにいのちを得させてくださいました。

 それによって神の愛が私たちに示されたのです。

 私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、
 宥めのささげ物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです。